航海日誌No.17

第17日目 紋別港出港―網走港入港小休止―ウトロ港入港燃料補給と小休止―イルカと遭遇―幻の漁港入港―羅臼港入港

今日は紋別港のセリ市場前に係留していたため朝帰ってくる漁船のため係留した舟が邪魔にならないか気になっていたため朝早起きして出航することが必要と考え7時出航と決めていたが
朝岸壁に行って見るとすでに漁船は多数帰港して荷卸の真っ最中。
私達の船も邪魔になったようで係留ロープをはずし少し移動して係留してあった。
漁協の人に確認して係留していたとは言え本当にご迷惑をおかけし、早速隣の漁船の荷卸中の船員の方にお詫びの言葉入れたが快く了解いただきホットひと安心。
やはり係留場所には本当に気を使うものだ。
常時使用している地元の方に迷惑にならないこと、持ち込んだごみは決して岸壁に置き去りすることなく 持ち帰ること、このことは船で日本一周するものの心得として肝に銘じなければならない。
これからもまだまだ続く航海、心しなければと改めて思う。
さて紋別出航後網走港に立ち寄り小休止。
波も無く穏やかで天候も快晴、網走湾をショートカットして一路ウトロ港へ。
ウトロ港の手前の有名なオシンコシンの滝の写真をとり3年ぶりのウトロ港(温泉)へ入港。
港口の岸壁に接岸し何時もの通り燃料補給と小休止。
岸壁にはかもめの群れのお出迎え・・・・・・人なれしていて一羽として飛び立つ様子無し。
ウトロ出航後いるかの軍団に遭遇!!利尻島に向かう海峡ではオットセイと度々出会ったがいるかは初めて。船が衝突しないかと微速航行、シャッターチャンスを狙ったがどの方向に飛び出すか判らず
おまけに背びれが見える程度、写真を写すことなど無理とあきらめる。
波の無いのどかな世界遺産知床国立公園、20ノット(約40キロ)以下の低速でゆっくり航行。
二度と見られないかもしれない人の入れない奥知床を満喫!
数ある滝や残雪の残る知床連山、又遅い新緑の木々、すべてが私達の為に待ってくれていたような情景。
決して陸からは行くことのできない奥知床の大自然の美しさを堪能。
知床岬突端手前の秋の漁期のみ地元の漁船が使用すると言う幻の漁港に入港(勿論無人)。
熊が出ないかと不安があったが岸壁に係留、ユラク管理課の飯田君差し入れの陸上自衛隊の非常食を温め頂く。
初めての自炊での昼食である。
二度とこれないだろうと思い頂く昼食は非常に感慨深いものがあった。
昼食後出航し目と鼻の先の知床岬先端で写真撮影。
この地域は携帯電話圏外地域、デジカメはもとより携帯でも撮影し通話圏内の送信に備える。
知床岬を廻ると一気に日本領(現ロシア支配)の国後島が見える。
複雑な心境である、あの隣の島に自由に行けない現状、一日も早く解決してほしいものである。
知床岬を廻ってからは右に知床半島南側、左に国後島を望みながら航海。
一路目的地羅臼港を目指す!無事予定時刻に羅臼港に入港、明日はいよいよ難関の根室半島ロシア主張海域まで日本から1700メートル。根室側は浅瀬と定置網、心して航行しよう、根室海上保安部の皆さん明日は特にロシアを警戒ください。
そしていよいよ太平洋。日本海、オホーツク海のように平穏であれば良いが・・・・・
2005.6.15

紋別港

熊取岬

網走港

知床 オシンコシンの滝

羅臼岳遠望 宇登呂港より

宇登呂港のかもめ達

宇登呂港で給油と休憩

知床連山遠望

知床の滝

険しい知床

知床の滝 その2

知床のインデアン岩

知床の滝 その3

世界遺産 知床

知床 原人の洞窟

知床岬 直前風景

知床岬突端宇登呂港副港

宇登呂副港 建物看板

知床突端無人避難港 看板

知床突端避難港 看板

知床岬突端避難港 風景

無人港での元気な2人

知床岬突端

知床岬

知床岬

知床岬より国後島

航海日誌No.18

第18日目 大型漁船修理場見学―羅臼港出港―根室港入港―花咲港給油―浜中町霧多布港入港

羅臼港の今日は霧が立ち込め視界50メートルから100メートル。
燃料の補給は9時前に終了したが、あまりの濃霧のため出航を見合わせ大型漁船修理場にて見学。
自在移動船台は日本で2箇所しかない設備と言う。
40トンから60トンクラスの漁船を海上移動するのに30分・・・・お見事!
通常レール船台が大方の中で初めての光景、機械の好きな私としては感動!!
1日中でも見て居たい光景である。
しかし先を急ぐ我がクルーはそうも行かず出航準備。
9時30分濃霧の中羅臼港岸壁を離れる、港内も微速全身50メートル先の防波堤が良く見えない。
最善の注意を払いながら羅臼港出航・・・・・。
出航後もレーダーとGPSプロッターだよりの航海・・・・・微速前進の連続。
航海計器のみでの航行は非常に緊張・・・・・・・対向船だけならレーダーで確認できるがこの海域は定置網の宝庫。
どうしても黙示確認が無ければ定置網のロープがスクリューに巻きつき航行不能。
この状態で航行3時間無事計器航行で根室港に入港。
さて今日は朝から私のNTTドコモFOMAが通信不調、携帯が壊れたものと思い根室のドコモ販売店にタクシーで直行!
販売店いわく夕べからFOMAは今朝10時まで機器の故障で通信不可能だったとのこと。
お陰で新しいFOMAの購入は免れたものの根室港入港の無駄な時間、港から販売店までの往復タクシー代1,800円。
どうしてくれるのだ・・・お陰で根室市内車窓見学・・・・・・災い転じて福と成す?
いよいよ今回航海の一番の危険ライン納沙布岬の通過である。
ロシア主張領土貝殻島灯台まで納沙布岬から直線3400メートル。
そのセンターより手前400メートルに海上保安庁が参考ラインとしてはみ出し禁止ラインを設定している。
参考ラインとは何か・・・・・日本の主張は北方領土は日本固有の領土である。
ですから日本の了解ラインとして認めるわけにいかない、苦肉の策が海上保安庁第一管区海上保安本部。
根室海上保安部の打ち出した苦肉の策である、ロシアの臨検拿捕を回避するための苦肉の策。
不満であるが致し方ない、参考ラインを計器航行して納沙布岬先端へ。
納沙布岬灯台には根室海上保安部のライブカメラが設置してある。
以前から知っており何回となく危険水域を自宅パソコンで遠隔操作しながら見たものである。
今日はそのライブカメラの実況中継で本当に我々が納沙布岬に居る事を確認してほしい。
早速カメラの視界範囲に船を停止させ携帯電話でユラク社員及び専務にその旨連絡。
皆事務所のパソコンで納沙布岬の私たち二人の船の実況中継を確認・・・そして感動!
本当に今納沙布岬に居るのだ!私も大きな座布団を振って答える。
パソコン画面に写った写メールを送ってもらって確認したときは私も感激。
危険ラインのことはすっかり忘れ実況中継に没頭。
無事ロシア警備艇の臨検を受けることなく無事通過。
途中花咲港で給油一路浜中町霧多布港を目指し無事入港。
今日は釧路港まで行く予定だったが霧と携帯のハプニングで断念・・・。
明日は近くの湿原を見学し10時出航襟裳岬を目指します。
2005.6.16

濃霧の羅臼港

羅臼港の浸水風景

羅臼港の船舶塗装風景

濃霧の中航行中

霧の晴れた知床連山

根室港入港

根室市内

根室海上保安部HPライブカメラの映像

納沙布岬のロシア座礁船

ロシア主張領土 水晶島

ロシア主張貝殻島灯台

ロシア主張領土 国後島

浜中町霧多布港係留

天然昆布生産日本一 浜中町

浜中町漁業協同組合